2013-03-14 イナゴ取り 平沢勝栄 小学生の頃のことで、平沢勝栄氏が鮮明に憶えているのはイナゴ取りをしたことだと言う。 農家が多かったため六月の農繁期は学校が休みになる。 そして秋の収穫期になると、学校は授業を休んで全員、袋を持ってイナゴ取りに行った。 それを学校に届ける。百グラム以上持っていくと、学校から鉛筆をもらえたのだ。 鉛筆は一本でも余計に欲しい。そこで重量を増やすため、袋の中に石ころを入れたこともあったという。 学校はイナゴを地域の人に売り、教材や本などの購入費にあてていた。 学校もまた貧しかったのだ。