英語を担当していた渡邊先生は言う「重要な英単語は、辞書、一、二ページにわたって書かれているものだ。最初だけを見るのではなく、後の方も見ておくといい。そうすれば英語のボキャブラリーが増えるぞ」と指導すると、平沢勝栄氏はそれをやってきた。そして「この英語にはこういう意味もありますね」と突っ込んでくる。渡邊が知らないことを知っていることもあった。
平沢勝栄氏は努力家ではなく、どちらかと言えば秀才だった。他の教師も「平沢がいるクラスを教える時は相当、準備していかないと突っ込まれるぞ」と話し合っていたものだと言う。